スタンディングデスクと畳の長椅子を作ったよ
年末に机を作ったのでメモがわりに投稿
経緯
引っ越しの都合でしばらくの間、ちゃぶ台にPCを乗っけて、人間はフローリングに座って過ごしていた。
そろそろちゃんとした環境が欲しいので、新しく机と椅子を作ることにした。
■まず机から決めたい。
机に乗っけるものは、
- アマゾnで3万円セールしてたPIXELAの50型ディスプレイ
- 27型のiMac
- 27インチぐらいのTV
の3つで、ディスプレイとiMacはモニターアームで吊るす。
50型のディスプレイはかなり安価に買えたけど、周辺器具を全て高いものに揃えなければいけないので、正直後悔している。
これら3つを配置するには一声180cmぐらいの幅が必要で、奥行きも80cmぐらい欲しくなる(部屋の間取りから結局85cmにしたけど、それでもディスプレイの圧迫感は強い)。しかし、そんな机はなかなか売っていない。幅160cm程度だとまだあるんだけど。
売ってないので、天板は自作するのが良さそう。幸いにも、1820mm X 910mm として板のサイズは規格化されているので(サブロク板)、180cm程の天板を自作するのは容易だった。
■机に載せるものは決まったので、今度は椅子を決めたい。
長くフローリングで過ごしていた生活を振り返ると、結構寝そべって操作することが多い(フローリングなので結構寒いけど)。
オフィスチェアはかなりリクライニングしてくれるけど、横にはなれない。必要なのはソファーみたいな長椅子。身長を包み込む長さのソファーなので、2mあれば十分そうで、だいたい5万円〜ぐらい。またソファーだとトレードオフがあって、高さ調整が出来ないのが痛い。
どうしようかと考えていたら、最近は立って作業するためのスタンディングデスクが流行っているらしく、電動で高さを変えてくれる机があるらしい。Flexispotというブランドで、安くて3万円台から、机の足だけ売られている。立って作業するのは捗る実感はあるけど、なんか働いてる感があって辛い気もする。そもそもオフィス目的で作られてるんだろうけど。とにかく、この足で高さ調整の問題は解決できそうで、椅子の高さは固定でも問題がない。
ただ、どのソファーにするかは決め手がなく(寝そべれればいいから)、色々と物色していると、ホームセンターに畳が売られているのを見つけた。実家には畳がある生活だったけど、引越し先にはフローリングしかない。懐かしさもあって、畳張り的な長椅子にすることを決めた。必要あれば、その上に座椅子を乗っけてリクライニング可能にすればいい。
売っていた畳は164cm X 82cmのマット型になっているので、これを木材の骨組みの上に畳を乗っければ、簡単に欲しい長椅子になる(なお、筆者の身長は女子小学生並みである)。安価な2x4材のベンチの製作事例は豊富にあり、素人設計であっても、人が乗っても壊れない耐荷重は簡単に得られるので、長椅子も自分で作ることにした。
椅子の高さは特に条件はないが、机の足は最低60cmまでしか短くならないので、少し高めに45cmとした。
■まとめると、
- 長椅子(164cm X 82cm X 高さ45cm)を製作する
- 机の天板(180cm X 85cm)を製作する
- 机の足(高さ可変)を購入&設置する
- 必要なモニターアームを購入&設置する
ことで、ちゃんとしたPC環境が作れそうなことがわかった。組み立ての所要時間は乾燥時間を除けば、概ね20時間程度。かかった費用は机に7万円ぐらい、椅子に1.5万円/脚ぐらい。モニターアームはPIXELAの50型ディスプレイ支えるやつで4万ぐらい。
長椅子(164cm X 82cm X 高さ45cm)を製作する
概要
畳マットにぴったりなサイズで椅子を作成した。人が乗ってもしならないので大丈夫そう。164cmあるので椅子の上で横になれる。椅子の下を荷物置き場にできるかも?
骨組みと足を分離可能。引越しの時困りそうなため。L字金具は結構高いので、分離の必要がなければビスで留めた方が安価。安くて(木材3000円ぐらい?)組み立て簡単(半日以内)なので引っ越すときは廃棄する決断もアリだと思う。
椅子の他にも、作業用の机にも使える。実際に天板の加工はこの椅子の上で行った。
椅子の材料
- 骨組みと足:2x4材
長さが1820mmの2x4材(38mm X 89mm)がホームセンターで400円ぐらいで売ってる、すごく安い。
値段相応で表面荒いし、結構歪んでるので、寸法をそこまで気にしない&触らない部分にはかなり使える。
1x4材(19mm X 89mm)もちょっと使う。
- マット:畳
大島屋 ユニット畳 楽らく い草 フロアー畳 約82×164×3cm
- メディア: ホーム&キッチン
ホームセンターで売ってた畳。1畳が164cmX82cm。6000円位で売ってた。畳としては激安品質?い草の模様が歪んでる。でも軽くて扱い易いので便利。
長椅子のサイズはこの畳に合わせる。
- 下地マット:ニードルフェルト 3mm厚
畳マットと骨組みに摩擦があると良さそう?と思って買ってみた(普通に板を貼った方がいい)
適当なAmazonを貼ったけど、ホームセンターで切り売りしてるのを使用した。
- タッカー:SK11のタッカー
ニードルフェルトを留めるのに必要。電動の方がいいかも
- L字金具:
長椅子の足と骨組みを接合するために使用。ネジ付いてるやつのほうが楽。幅が38mmなピッタリサイズのがホームセンターには売ってた。上のリンク先と酷似したやつ。
- ビス:65mmぐらいのやつ
大里 ステンレス スリムスレッド 3.8Φ×長さ65mm 95本入 (545-119)
- メディア: Tools & Hardware
2x4材を接合するのに必要。100本ぐらいまとめて売ってある。
- 足のカバー:2x4用のゴム足
ホームセンターで売ってた。ちょっと高いけど便利。
簡単な作り方
1、骨組みを作る
てっきとーな図面で申し訳ないんだけど、寸法はこんな感じ。
青の部分は1x4材、黒は2x4材で作成。赤部にビスを打ち込む。
1820mmから1564mmは1本、744mmと820mmは2本取れる。
畳マットサイズで骨組みを作る。中に2本支柱(?)を入れれば大丈夫そう。
微妙に平行が取れてないところが出てくるけど、ビスでなんとか押さえつけられる。
Φ2.5mmの下穴を開けてビス留めしたけど、なくても割れないらしい(下穴開けると引き抜き強度も下がるのかな)。打ち込むとき安定するから下穴派です。
2、足をつける
2x4材を切り出して組み立てる。
1820mmから361mmはギリギリ5本取れる。切りしろが大きいと4本かも。
L字の金具で足を固定する。立て付けが悪くて90度にならないところが出てくる。だいたい押さえつけられるが、ひどいところは薄いゴムで調整する。
3、下地マットをタッカーで留める
下地マットを敷いてタッカーでぽちぽち留める。マットと骨組みの摩擦力に期待してこれにしたけど、あんまり効果は感じない。普通に板貼った方がいい気がする。たわむし。
タッカーを打ち込むのは結構簡単。ただ、繰り返し数が多いので結構辛い。手動式タッカーでも2000円ちょっとするのに、電動式タッカーは5000円程度ぐらいらしいので、そっちにすればよかった。
机の天板(180cm X 85cm)を製作する
概要
ディスプレイ等が載る机の天板、厚さ30mm。机に足を付けて体重をかけると、天板がたわむのが分かる。もう少し厚い方が安全そうだけど、厚さ30mmでも持ち上げるのはかなり大変。これが限界だと思う。
サブロク板からカットしてもらって、人が触る面はRを付けてもらった。Rの付け方はいろいろあるけど、船底面加工にしてみた。表面だけステイン+ワックスで仕上げて完成。
机の材料
- マット:フロアマット
フローリングだと椅子の足で傷つく。ぼくの足も冷える。いいことないからちゃんと設置しよう
- 天板:パイン集成材 1820mmX910mmX30mm
大きいホームセンターでは扱いがありそうだけど、家の近くではなかったので通販を利用。
送料で5500円ぐらい取られるけど、30kgぐらいあるので一人で持ち運ぶには相応の筋肉が必要。運ぶのは難しい(なお、筆者の筋肉は女子小学生並みである)。
180cm X 85cmとしてカットしてもらう。長辺側は人間の手が触れるのでエッジを丸くする。今回は船底面加工をしてもらった。
- 足:Flexispot ブラックE3B(天板別売り)
最大200cm X 80cmまでの天板を載せられる。対荷重は100kg。机の高さは60cmから120cmまで可動する。天板は奥行き85cmとして作ってるので少しサイズオーバー。今のところ問題はなし
- 塗装:WOODLOVEシリーズ 油性オイルステイン ウォルナット
ホームセンターで売ってた。250mLを買ったけど、125mLで2度塗りまで出来そう。これで十分。
- ワックス:WOODLOVEシリーズ ビンテージワックス ウォルナット
ホームセンターで売ってた。蜜蝋系のワックスは熱に弱そうなので、えごま油系?のワックスを使用。これでもレンチンした熱々な皿を机に載せると跡がつく。ニスを使うのも手か。
工具
- 電動ドライバー
高儀 EARTH MAN 18V 充電式 インパクトドライバー Dual Touch DUI-180LiA
- メディア: Tools & Hardware
机の天板に足を木ねじでくっつける。手でやってもできそう。あったほうが便利。
- 電動サンダー BOSH 吸じんランダムアクションサンダー
BOSCH(ボッシュ) 吸じんランダムアクションサンダー PEX260AE
- メディア: Tools & Hardware
必須。2m^2近くある天板を数回研磨するのは電動工具でないと無理。専用のペーパーが必要で、240番〜1600番ぐらい?を使用。粗いやつはホームセンターでも売ってて入手性良。細かいのはAmazon。
- 空気清浄機 日立のやつとか(前面吸気)
日立 空気清浄機 ~15畳 床置き・卓上兼用タイプ PM2.5対応 リモコン付き ホワイト EP-PZ30 W
- 発売日: 2018/10/20
- メディア: ホーム&キッチン
あると便利。電動サンダーに集塵機能があっても木屑が舞うので作業中は全開で回しておくと楽。
その他材料
- ウエス
普通の布ウエスを使ってたけど、油性のオイルステインを拭くと再利用できないので、キムワイプみたいな厚手のペーパーの方が良さそう。ワックスを拭き取るのはキムワイプ的なものを使ってた。
- スチールウール
ワックスを板に塗り込むのに必要。本当に効果的なのか?よくわからない。
- 万能ハケとバケツ(使い捨て)
油性オイルステインを塗るために必要。塗装はたまにしか発生しないし、油性塗料なので使い捨て前提のすっごい安いやつを使用。ハケは如実に塗りムラが出てくるっぽいので高い方が良かったかも。ペイント薄め液も念の為買っておいたけど、出番はなかった。
簡単な作り方
1、電動サンダーで表面を整える
120番→240番→400番ぐらいで整えた。すっごい細かい木屑が出てくるので、屋内で作業する場合は空気清浄機必須。家中のを集めて風量MAXな状態で作業した。
2、油性オイルステインを塗る
端から木目に沿って塗布する。数分したらウエスで余分なステインを拭き取る。油性塗料なのでシンナーっぽい臭いがすごい。換気扇強運転で頑張る。乾燥してからも臭いはしばらく残るが、2~3日程度で塗料の臭いはなくなる。
乾き切って重ね塗りするのは良くないらしいので、30分程度の乾燥時間をおいて3度塗りしたけど、あんまり綺麗にはならない。綺麗にならなくても、後で表面をもう一度やするので気にしなくてもいいと思う。2度塗りぐらいで十分そう。
初回の塗装で80mLぐらい使用したと思う。3回塗って160mLぐらい。125mLのボトルで十分に塗装できたと思う。
3、電動サンダーで表面を仕上げる
600番→1000番ぐらいで仕上げる。オイルステインに耐水性はないので水研ぎはできなさそう。普通にやすっていく。
600番スタートは細かすぎたかもしれない。塗りムラに差し掛かると、明らかにサンダーの負荷が変わる。
塗装が整ってきて、触ってすべすべしてたら仕上げ完。
4、仕上げ用のワックスを塗布する
スチールウールで円を描くように刷り込んでいく。ワックス自体は結構伸びるので塗るのは楽。
塗ると表面に光沢が出るのでようやく机らしくなる。
塗って30分したらウエスで拭き取って、24時間乾燥させる。乾燥後はもう一度拭いてやる。24時間経って触ってみると、少し濡れている感覚があったので、実際には40時間近く乾燥させた。
このワックスは結構独特の臭いがある。木造小屋っぽいって言えばいいのかな。記事を書いているときは塗装して1週間程度経っているが、まだ臭いが残っている。
机の足(高さ可変)を購入&設置する
スタンディングデスク用の足。耐荷重が100kgで幅200cmの机まで対応。幅160cmであれば天板付きのセットがある。
足のみで廉価な構成もあるが、耐荷重と幅に制約あり。大きな違いはモーターの数?
Amazonでは常にセールしているらしく、1割引ぐらいで買える。最大3割引で買えた報告もあるので、セールを狙うと吉。
梱包された状態では20kgぐらいあるので適度な筋肉が必要。中身は最大数kg程度の部品で構成されているので、一人でも組める。
図説付きの説明書があるので組みやすいんだけど、ネジ穴の数と入っているネジの数が一致していないので、よく読む必要がある。
天板+足をひっくり返すときに滑り落としてしまったので、片方の足の固定が壊れてる(溶接で固定されているナットが取れた)。横方向の衝撃には弱いみたいなので注意。
というか50kg超えてるので、ひっくり返すのは2人以上で作業しないと危険だと思う。
必要な工具は電動ドライバー程度。なくてもできそう。
必要なモニターアームを購入&設置する
エルゴトロンの45-384-026。50型+11kg以上のディスプレイを吊るせるアームはこれしかない。仕様上は46インチまでだが、現状は問題は発生していない。
普通のLX系のアームが1万円前半で購入できるのに、3万円以上の値段がするので覚悟が必要。
リフト強度調整はMaxまで締め込まないと支えられなかった。
このモニターアームを固定するには8mmのレンチが必要。この製品特有かも。
ちなみに、PIXELAの50型ディスプレイ(PIX-50MX100)は200mmX300mmなネジ穴で固定するので、変換用のマウントが必要。下記マウンタで変換した。
iMacを固定するMX デスクマウントLCDアームは既に購入済みなので省略。(VESAマウント可能ではないので、iMac本体を逆さ吊りにして使用している)
完成
こんな感じのが出来た。テレビの置き場所を見失ってるけど、PCは置けたので目的は果たせた。(このテレビ、VESAマウントできないから置くしかない)
立ちながら作業できるのが意外と便利。高さを93cmぐらいにして立ってブログ書いてる。座るときは70cmぐらい。
立つって行為は気持ちを切り替えられるのかもしれない。切り替えを物理的なボタン一つで行えるってのはいい。
畳の長椅子も無事に横になれるので良い。うっかり寝落ちして風邪をひきそうになるぐらい悪魔的に良い。1畳じゃ狭かろうと思って、2脚作ってしまったので部屋が狭い。1畳で十分だった