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Nゲージ鉄道模型のATS・ATC案②-閉塞・モータモジュール

Nゲージ閉塞システム

sosoru.hatenablog.jp

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モータモジュールについて説明します.

モータモジュール

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↑ブロック図

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↑基板

主要な部品:

マイコン ATmega1284P
モータードライバ TB6559FG
リレー 941H-2C-12D


モータモジュールで担当している閉塞のレール電圧・電流を管理します.
マイコンのADCはモータードライバを貫く電流を見ています.シャント抵抗の電圧を25倍のアンプで増幅した電圧から判断しています.
リレーは,担当する閉塞のレールと,モータドライバの出力を繋ぐか,隣接する閉塞のレールを繋ぐかを制御しています.開放時には隣接する閉塞,短絡時にはモータドライバを接続しています.

モータモジュールの動作モード

このモータモジュールには,大きく分けて4つのモードが存在します.
モータドライバのHブリッジの様子です.

  • スタンバイモード

リレーを開放し,隣接する閉塞と担当する閉塞が接続されている状態です.この時,このモジュールのモータードライバは仕事をしません.

  • 正方向ONモード

リレーが短絡され,モータドライバと担当する閉塞が接続されています.モータードライバはレールと接続され,列車に電流が供給されます.
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  • 逆方向ONモード

正方向ONモードと逆方向に電流が供給されます.
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  • ブレーキモード

正方向・逆方向ONモードと同様にリレーが短絡されていますが,モータードライバは電流を供給せず,どちらのレールもグランドと接続されます.この時,レールはどちらともグランドに短絡した状態です.
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この4つの動作モードを使い分けて閉塞動作を実現します.

閉塞遷移について

列車の進む向きで若干挙動が変わるので,正方向時と逆方向時を分けて説明します.

正方向時

閉塞遷移前

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左モータモジュールが担当する閉塞上の列車を駆動しています.次の閉塞を担当している右モータモジュールはブレーキモードで待機しています.矢印は電流を表しています.

閉塞遷移中

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列車の「車輪」が次の閉塞をまたごうとする瞬間,次の閉塞のモータモジュールには前の閉塞と短絡します.この時に流れる電流をモータモジュールは検知します.

閉塞遷移後

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電流を検知したモータモジュールはスタンバイ状態に移行します.列車は前の閉塞のモータモジュールから電流が供給され,移動し続けます.

逆方向時

閉塞遷移前

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正方向時とは逆に,右モータモジュールが担当する閉塞上の列車を駆動しています.同様に,左モータモジュールはブレーキモードで待機しています.

閉塞遷移中

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同様に,車輪で前の閉塞と短絡したときに流れる電流を検知します.左モータモジュールはブレーキモードから逆方向ONモードに移行します.この時,左右どちらのモジュールも逆方向ONになります.
同一のマイコンであれば問題ありませんが,異なるマイコンだと,クロック源が異なるのでPWM波形の位相がズレます.この波形のズレは「うねり」となって現れ,走行に問題を引き起こします.この問題は通電カプラーを用いている編成には顕著に表れ,閉塞をまたぐときだけ速度が上昇し,室内灯の明るさに「うねり」が現れます.
この問題を防止するため,左のモータモジュールは逆方向ONモードになった後,速やかに右の閉塞に「スタンバイモード」へ移行するよう命令します.

閉塞遷移後

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右のモータモジュールがスタンバイに移行した後,列車は運行を継続します.

閉塞遷移後の処理について

正方向・逆方向ともに,閉塞遷移した後,今までいた閉塞の開放処理をしません.閉塞の開放処理は「制御・Webサーバー」が担います.制御・Webサーバーは列車が抑えている閉塞数を監視し,一定数以上,閉塞を抑えたとき,末尾の閉塞を開放します.

この方法であれば,フィーダだけで閉塞を形成できますが,各列車は最低2閉塞占有することが問題です.これは閉塞数を増やすことでカバーしています.

閉塞の継ぎ目を列車がまたぎ終えたことを光センサ等で監視すれば,この問題を解決できますが,レイアウト形状に任意性を持たせるために導入しませんでした.